S・キング著『クリスティーン』読了、感想とか諸々
実に興味深い小説だった。
2つの三角関係を中心に物語が進んでいく。
個人的なことを言えば上巻はかなり退屈だった、設定の説明やクリスティーンという一台の車との出会いを厚く濃く記されており、物事の進展があまりなかった。
しかし、下巻はその退屈さを忘れさせるほど鮮やかでありスリリングな内容で常に肝を冷やされた。
ジェットコースターと同様で、高く昇れば落ちる時はより強い恐怖を味わうことになるのだなぁと。
車が人を殺す、その車は決して犯行の跡を残さない、、、。執拗に迫ってくるその車の描写には作者の固執した車への愛すら感じられた。
総じていえば素晴らしい小説だったといわざる負えない。
が、これまで読んだキング作品の中では一番読みづらかったとも言える。
最近の課題で取り組んでいる僕のシナリオが偶然にも車の物語なのだ。
車とAIでありクリスティーン少し違うが、たまたま手に取った作品と自分のシナリオに共通している部分があり運命的なものを感じた。
クリスティーンを自分の作品に少しでも還元できたらと願う。
次の記事は、アガサクリスティーによる『そして誰もいなくなった』の感想とか諸々を書き記したい。